窓断熱で電気代はいくら安くなる?内窓・ガラス交換の効果をデータで徹底解説

こんにちは!リラにゃんです。
ここ最近、テレビでもネットでも“電気代の上昇”が話題になっていますね。
「去年よりエアコン代が高い」「暖房をつけていても寒い」
こんな声をリライフでもたくさんいただくようになりました。
今日は冬の電気代を節約できると言われている人気の「窓リフォーム」で結局いくら節約できるの?という疑問を解説します!
この記事はこんな人に向いています
・どうして窓を断熱すると電気代が下がるのか知りたい方
・内窓やガラス交換の効果はどれくらいか気になる方
・自分の家にはどんな方法が合うか興味がある方
・窓リフォームに興味がある方
・冬の電気代が心配な方
電気代が年々高くなり、「エアコンを我慢しても光熱費が下がらない」「窓際だけいつも寒い・暑い」と感じていませんか?
その原因のひとつが、家の中でもっとも熱の出入りが激しい「窓」です。今回窓断熱を行うと電気代が実際にどれくらい安くなるのかを、内窓(二重窓)やペアガラス・真空ガラス交換などのリフォーム別に、メーカーのデータや試算をもとに分かりやすく解説します。さらに、一戸建てとマンションで効果に違いがあるのか、どの工法がコスパに優れているのかなどをまとめて確認できます。
「結局うちではどの窓リフォームを選べば、いくら節約できるのか?」をチェックしてみてください!
どうして窓がそんなに重要なの?
家の熱の約50〜60%は「窓」から逃げている

家の中には「壁・床・屋根・玄関・窓」など色々な“外とつながる部分”がありますが、
中でも 窓は圧倒的に熱が出入りしやすい場所 です。
建築研究所のデータでは、
「家が冬に失う熱の58%が窓から」とされています。
一般社団法人 住宅生産団体連合会が公開している資料では、暖房時に住宅から外へ逃げる熱のうち、開口部(窓・ドア)からの流出が約58%と、屋根や外壁よりも圧倒的に多いことが示されています。屋根が約5%、外壁が約15%、床が約7%であるのに対し、窓を含む開口部が半分以上を占めているのです(出典:一般社団法人 住宅生産団体連合会「なるほど 省エネ住宅 快適・安心な住まい」/一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会資料)。「なるほど 省エネ住宅 快適・安心な住まい」p.7
https://ebook.kennetserve.jp/data/knnt0005/HTML/index7.html
つまり、家が寒い原因の半分以上は 窓の性能が低いから。だからこそ、窓の性能を上げると家全体の“底力”が一気に上がり、冷暖房の効きが劇的に改善します。
また、一般社団法人 日本サッシ協会も「住宅の省エネルギー性能の確保には、特に窓やドアといった開口部の対策が効果的」として、開口部は壁や屋根に比べて熱の出入りの割合が高いことを強調しています。日本サッシ協会「省エネについて」
https://www.jsma.or.jp/useful/energysaving/tabid208.html
このように、公的団体や業界団体のデータを見ても、「家が寒い・暑い」を根本から改善するには、窓の断熱を見直すことが近道であることが分かります。
窓断熱が「コスパ最強」と言われる理由
実は、家の断熱って「壁や床を全部やり替える」となると大工事になり、費用も数百万円規模になることが多いです。でも、窓の場合は違います。
- 効果がすぐ出る!
内窓をつけると、外気の影響が室内に伝わりにくくなり、
冬:暖房の熱が逃げにくくなる
夏:日の暑さが入ってきにくい
これだけで朝起きたときの「寒い…!」がかなり軽減され、エアコンの効きにも差が出ます。
体感としては、“ワンランク断熱等級が上がったような快適さ”と言われることが多いです。 - 工事がスピーディーで住みながらできる
内窓なら、1カ所30分〜1時間、家全体でも半日〜1日で終わることがほとんど。
壁を壊したり床を剥がしたりしないので、「今日つけて今日から快適」になるのも人気の理由です。 - トータルで見た節約効果がすごい!
「リフォーム代より節約額のほうが大きくなる」という声も多いです。
例えば、LIXILの試算では、9カ所の窓に内窓をつける → 年間約2万円の節約効果!
10年で20万円、20〜30年使えば大きな違い。
窓は毎日必ず使う部分だからこそ、“長期間の節約”という観点で見ても非常に優秀です。
電気代が上がり続けている今こそ対策のチャンス
電気料金は2022〜2025年にかけて大きく値上がりし、多くの家庭で 毎月2,000〜3,000円の負担増 と言われています。さらに、今後も値上げの可能性はまだまだ残っています。
こうした状況を受けて、国も住宅の断熱化・省エネ性能アップ・窓の高断熱化を非常に重視しており、過去最大級の補助金(窓リノベなど)を出すほど推進しています。
窓断熱をすると電気代はいくら下がる?【データで解説】

電気代が上がり続けている今、「窓の断熱性能を上げると本当に光熱費は下がるの?」と疑問に感じている方も多いはずです。実際、2025年時点の一般家庭向けの電気料金は、1kWhあたりおよそ30円前後が目安となっており、東京電力エリアでは約31円、関西電力では約27〜29円ほどで推移しています。こうした電気代の相場は、電気料金の解説サイト「1kWhの電気代について基礎知識と最新相場比較」でも紹介されています。
一方で、窓の断熱性能を改善するとどれくらい効果があるのかについて、LIXILが行ったシミュレーションでは、既存の住宅で複数の窓を高断熱タイプに変えた場合、年間の冷暖房費が約2万円削減できたというデータがあります。さらに、同社が近畿大学と実施した共同研究では、窓の断熱改修による光熱費の削減だけでなく、冬場の体調不良による医療費や薬代まで含めて考えると、30年間で約103万円もの経済的メリットが見込めることも示されています(LIXIL「住まいと断熱に関する調査」より)。
この記事では、こうした調査データを参考にしながら、内窓(二重窓)、ペアガラス、真空ガラスなどの窓リフォームを行った場合に、実際にどのくらい電気代(冷暖房費)が下がるのかを、できるだけイメージしやすい形で説明していきます。
内窓(二重窓)による電気代削減の試算
まずは、リフォームの中でも特にご相談が多い「内窓(二重窓)」の効果から見ていきましょう。LIXILが販売する内窓「インプラス」を使った試算では、住宅内の9カ所の窓に内窓を取り付けた場合、年間で748kWhの節電ができ、これは冷暖房費に換算すると約20,000円の削減に相当すると紹介されています(LIXIL「住まいと断熱に関する調査」より)。
現在の電気料金単価を1kWhあたり約30円として計算すると、
748kWh × 30円 = 約22,440円
となり、年間で2万円前後の削減という試算は、今の電気代水準をふまえても十分に現実的な数字だといえます。
ただし、実際の削減額は次のような条件によって変わります。
- 住んでいる地域(北海道・東北など寒冷地か、関東・関西など温暖地域か)
- 建物の構造(木造か鉄骨造か、断熱材の量や性能)
- 窓の位置や方角(北側・西側の窓が多いほど冷えやすい)
- 冷暖房の使い方(設定温度、在宅時間、エアコンの台数など)
こうした条件を踏まえても、LIXILのデータを単純に「窓1カ所あたり」で割って計算すると、1カ所あたり年間約2,000〜2,500円程度の冷暖房費削減が期待できます。
一般的な戸建て住宅では、
リビング・ダイニングに大きな掃き出し窓が2枚、
寝室・子ども部屋に腰窓が数枚…
というケースが多く、合計で8〜10カ所ほどの窓があることも珍しくありません。
そのため「9カ所で年間2万円の削減」という試算は、多くの家庭に当てはまるケースだといえるでしょう。
また、この削減効果を“長期投資”としてとらえると、
年間2万円の節約 × 30年 = 約60万円の光熱費削減。
実際には電気料金は今後も上下する可能性はありますが、「数十万円単位の節約効果が期待できる」というイメージは十分持っておいて良いと思います。
モデルケース:4人家族・延床30坪程度の戸建ての場合
たとえば、延床約30坪の一般的な2階建て木造住宅に、4人家族で暮らしているケースを想定してみましょう。リビングには大きな掃き出し窓が2カ所あり、ダイニング・寝室・子ども部屋・書斎など、合計で9カ所の窓をすべて内窓(二重窓)にした場合をモデルとして考えていきます。
■ 内窓を設置する前の状態
冬や夏のピーク時には、エアコンをほぼつけっぱなしにしないと快適な温度を保てず、「暖房をつけていても足元が冷える」「冷房をしても部屋がなかなか涼しくならない」といった悩みが生まれがちです。とくに窓際は外気温の影響を受けやすく、家族がソファでくつろぐ際も「なんとなく冷たい空気が流れてきて落ち着かない」と感じることもあります。
■ 内窓を設置したあとの変化
内窓を取り付けると、既存の窓との間に“空気の層”が生まれ、これが強力な断熱バリアとして働きます。その結果、同じ温度設定でエアコンを使用しても、部屋の暖かさ・涼しさが長持ちするようになり、自然とエアコンの稼働時間や出力を減らせるようになります。
このような条件をもとにすると、内窓設置後の冷暖房費は、先ほど紹介したLIXILのシミュレーション結果と近い数値になり、年間で約2万円前後の電気代削減が期待できると考えるのが現実的です。
特に、もともと「エアコンは効いているのに部屋が寒い」「窓際だけ妙に冷える」「夏の西日で部屋がムワッと暑くなる」といった悩みがあったご家庭ほど、変化がはっきり感じられます。
内窓化によって、快適性の向上と電気代のダウンを同時に実感しやすいという点は、多くの利用者が評価しているポイントです。
ペアガラス・真空ガラス交換の削減効果
次に、既存のサッシはそのまま活かし、「ガラスだけ」を高性能なものに交換する方法について見ていきましょう。単板ガラス(1枚ガラス)からペアガラス(複層ガラス)やLow-Eペアガラス、さらには真空ガラスへ交換すると、窓から出入りする熱が大幅に減るため、暖房・冷房の効率をしっかり高めることができます。
内窓(二重窓)と比べると、ガラス交換は「空気層が1つ」「サッシの断熱性能は変わらない」という条件のため、同じ窓サイズ・同じ地域で比較すると、電気代の削減効果はやや控えめになる傾向があります。それでも、生活スタイルや住まいの構造によっては、ガラス交換のほうがメリットを感じやすいケースも少なくありません。たとえば、次のような場合です。
- 窓の開け閉めが多く、内窓だと操作が煩わしくなりそうな場合
- インテリアや動線の都合で、窓まわりをスッキリ見せたい場合
- マンションでサッシが共用部分扱いになり、内窓はOKでもサッシ交換ができない場合
このようなケースでは、ガラス交換のほうが生活への負担が少なく、現実的な選択肢となります。
電気代の下がり方という点では、内窓と同じく「断熱性能が高まった分だけ冷暖房の負荷が減る」仕組みは共通しています。たとえば、南向きの大きな掃き出し窓2カ所を「単板ガラス → Low-Eペアガラス」に交換しただけでも、日差しによる室温の上昇を抑えられるため、夏場の冷房設定温度を1℃上げても快適に過ごせるケースがあります。エアコンの設定温度を1℃変えるだけでも電気代が数%下がると言われており、体感温度が変わることで自然と節電につながる点がガラス交換の大きな魅力です。
さらに真空ガラスの場合、ペアガラスよりも高い断熱性能を持つ製品が多く、寒冷地や北側の大きな窓など、外気の影響を受けやすい場所では、ペアガラス以上の電気代削減が期待できます。ただし、真空ガラスは構造が高度なぶん価格が上がりやすいため、すべての窓に採用する必要はありません。「ここは絶対に寒い」「結露がひどい」など、効果を感じやすい窓に絞って取り入れることで、費用対効果のバランスを取りやすくなります。
内窓とガラス交換の「削減イメージ」の違いは?
電気代の削減効果をイメージしやすくするために、内窓とガラス交換の違いをざっくり整理すると、次のようなイメージになります。
- 内窓(二重窓):窓種やガラス仕様にもよりますが、同じ窓を対象とした場合の冷暖房費削減効果は最も大きい
- ペアガラス交換:内窓ほどではないものの、単板ガラスからの交換であれば目に見える電気代削減と結露軽減が期待できる
- 真空ガラス交換:ペアガラスよりも高性能なものを選べば、非常に高い断熱効果を発揮しつつ、見た目もすっきり
どの工法を選ぶかによって初期費用は変わりますが、「窓からの熱の出入りをどれだけ減らせるか」がそのまま電気代削減につながる、という考え方は共通しています。
メーカー試算に基づく電気代の比較
窓断熱の効果をより客観的に理解するためには、メーカーや大学などが公表している試算データを活用するのが有効です。たとえば、LIXILと近畿大学が共同で行った研究では、戸建て住宅の窓を高断熱仕様に改修した場合、30年間で暖冷房費が約73万円削減できるという結果が示されています。さらに、この研究では「温度差が小さくなることでヒートショックなどの健康リスクが下がり、医療費や薬剤費まで含めると、合計で約103万円の経済効果が見込める」と報告されています(詳細はLIXILのプレスリリースにて公表)。
ここで示されているのは30年間という長期スパンの数字ですが、1年あたりに換算すると、暖冷房費だけでも約2万4,000円の削減になります。これは、先ほど紹介した「9カ所の窓を内窓化した場合に年間約2万円の節約」というLIXILのシミュレーションとも方向性が一致しており、窓断熱が光熱費削減に十分な効果を発揮することを裏付けるものです。
また、環境省は高断熱窓への交換を後押しする補助事業を継続的に実施しており、「窓などの開口部の断熱性能を高めることは、家庭部門の省エネとCO2削減のカギになる」と明確に位置づけています。国が予算を投じてまで推進している背景には、窓断熱が“電気代の負担軽減”と“環境対策”の両方に大きく貢献する、効果の高いリフォームだからという理由があります。
これらのデータや政策の流れからまとめると、窓断熱リフォームは、**短期的には年間数万円、長期的には数十万円の電気代削減が期待できる「費用対効果の高い投資」**といえます。快適性が上がるだけでなく、家計と健康にまでメリットが広がる点は、窓断熱ならではの大きな魅力です。
断熱性能ごとの節電効果(UA値などは簡単に)
最後に、「窓の断熱性能を上げると、どれくらい節電につながるのか」を理解するために、断熱の基本指標である UA値(外皮平均熱貫流率) を簡単に説明しておきます。
UA値とは、家全体から「どれだけ熱が逃げやすい(または入ってきやすい)」かを表す数値です。数字が小さいほど断熱性能が高く、家の中の温度が外気の影響を受けにくくなります。つまり、UA値が小さい家ほど、冷暖房に必要なエネルギーが少なくなり、電気代も下がりやすくなるということです。
特に、窓や玄関ドアといった“開口部”は、外壁や屋根よりも熱が出入りしやすい部分です。そのため、窓の断熱性能を上げることは、家全体のUA値を改善するうえでも非常に大きな効果があります。
例えば同じ広さ・同じ地域の家でも、
・単板ガラス+アルミサッシの家(断熱性能が低い)
・Low-Eペアガラスや真空ガラス+樹脂サッシ、または内窓を設置した家(断熱性能が高い)
では、暖房に必要なエネルギー量が大きく変わります。UA値の細かい仕組みを知らなくても、「窓のグレードを上げれば、エアコンの効きが良くなり、その分電気代が減る」というイメージを持っておけば十分です。
実際のリフォームでは、設計事務所やリフォーム会社がUA値や窓の性能を示す Uw値 を使ってシミュレーションを行い、「この窓に変えると、年間の暖冷房費がどれくらい減りそうか」を具体的な数字で示してくれるケースが増えています。「リフォーム後の電気代をしっかり比較したい」という方は、見積もりの段階で 簡易的な冷暖房費シミュレーション を依頼しておくと安心です。
まとめると、UA値やUw値という言葉は難しく感じるかもしれませんが、覚えておくべきポイントは一つだけです。
「数値が小さいほど断熱性能が高く、電気代が下がりやすい」
このシンプルな関係だけ理解しておけば、窓断熱の効果もイメージしやすくなります。
窓断熱の方法は大きく3種類|費用と効果を比較
自宅の断熱リフォームを検討するとき、「どの方法が一番お得なのか」「どれくらい効果が違うのか」が気になりますよね。窓断熱にはいくつかの工法がありますが、戸建てでもマンションでも採用しやすく、リフォーム会社がよく提案するのは大きく分けて①内窓(二重窓)を追加する方法 ②ガラスだけ交換する方法 ③サッシごと交換するカバー工法の3種類です。
ここでは、それぞれの工法について、一般的な工事費用の目安・断熱効果・工期・施工のしやすさ・電気代削減の期待値を整理して比較していきます。そのうえで、ご自宅の構造やライフスタイルに合ったベストな方法を選ぶ際のポイントも解説します。
内窓(二重窓)|最も効果が高い定番

まず検討したいのが、既存の窓の室内側に新たな樹脂製サッシをもう1枚取り付ける「内窓(二重窓)」です。LIXILの「インプラス」やYKK APの「プラマードU」に代表される工法で、今あるサッシはそのままに、室内側にもう一つ窓を設置して「空気層」をつくることで、高い断熱性と防音性を確保します。メーカーの実験でも、内窓を設置することで窓辺の表面温度が上がり、冬場のひんやり感が大幅に軽減されることが示されています(例:LIXIL「インプラス」公式サイト)。
費用の目安
内窓の費用は、窓の大きさやガラスの種類、設置する窓の数によって変わりますが、一般的な腰高窓や掃き出し窓を数カ所まとめて施工する場合、1窓あたり数万円台〜十数万円程度になることが多いとされています。複数の窓を同時に施工することで、1窓あたりの施工単価が下がるケースも少なくありません。
ガラスを単板ガラスにするのか、Low-E複層ガラス(ペアガラス)にするのかでも費用は変わります。断熱効果を重視するなら、外窓と内窓の組み合わせで熱貫流率が低くなる複層ガラス仕様を選ぶのが一般的です。
断熱・防音などの効果
内窓が人気を集めている最大の理由は、窓周りの熱損失を大幅に減らせるうえ、防音・結露軽減・防犯といった副次的なメリットも一度に得られる点です。既存のアルミサッシと内窓との間にできる空気層が「断熱材」として働き、冬の暖房熱が外に逃げにくくなります。
また、ガラスと空気層の構成によっては、外からの車の走行音や人の話し声などを抑える効果も期待できます。LIXILの「インプラス」などでは、ガラスの種類ごとに防音性能の違いも公開されており、防音性を重視したガラス構成を選べるようになっています(例:LIXIL公式Q&A)。
工期・施工のしやすさ
内窓は既存の窓枠を壊さずに取り付けるため、1窓あたり1時間前後の施工で完了することが多く、基本的にはその日のうちに工事が終わる「1日リフォーム」になりやすい工法です。大掛かりな解体工事を伴わないため、騒音や粉じんも比較的少なく、マンション・戸建てともに採用しやすいのが特徴です。
こんな人・家に向いている
内窓は、次のような方に特に向いています。
- 冬の窓際が特に寒く、暖房をつけても足元が冷えやすいリビングや寝室がある家庭
- 国・自治体の補助金も活用して、断熱性能と電気代削減の両方をしっかり高めたい人
- 交通量の多い道路に面している、近隣の生活音が気になるなど、防音性も同時に改善したい人
- マンションなどでサッシ交換が難しく、室内側の工事だけで断熱性能を上げたい場合
ガラス交換(ペア・真空ガラス)

次に検討したいのが、既存のサッシはそのまま利用し、ガラスだけを断熱性能の高いものに入れ替える「ガラス交換」です。一般的な単板ガラスから、Low-Eペアガラス(複層ガラス)や真空ガラスへ交換することで、窓の熱貫流率を下げ、冷暖房効率を高めます。
サッシ自体は既存のものを活かすため、内窓やサッシ交換に比べると見た目の変化が少なく、ふだんの開け閉めの感覚も大きく変えたくない方に選ばれやすい工法です。
費用の目安
ガラス交換の費用は、ガラスの性能と大きさ、施工手間によって差がありますが、一般的にはペアガラスへの交換が1窓あたり数万円台、真空ガラスなど高性能ガラスへの交換ではそれ以上の金額になることもあるとされています。サッシの形状や年式によっては、ガラスのみの交換が難しい場合もあるため、事前に現地確認が必要です。
断熱・結露軽減などの効果
単板ガラスからペアガラス・真空ガラスへ交換すると、ガラス面の断熱性が向上し、窓面の冷輻射(ひんやり感)が軽減されるほか、室内側の表面温度が上がることで結露の発生を抑えやすくなります。特に真空ガラスは、薄い構造でありながら高い断熱性能を持つ製品もあり、狭い溝幅のサッシでも高性能化しやすいことが特徴です(例:YKK APの内窓用真空ガラス製品に関するニュースリリースなど:YKK AP公式サイト)。
ただし、アルミサッシ自体の断熱性は変わらないため、サッシ枠からの熱の出入りは残る点には注意が必要です。窓全体としての断熱性能を最大化したい場合は、ガラス交換よりも内窓やカバー工法のほうが効果が高くなるケースもあります。
工期・施工のしやすさ
ガラス交換は、既存のサッシを残したままガラスのみを入れ替える工事のため、1窓あたりの作業時間は比較的短く、室内への工事範囲も限定的です。脚立や外部足場が必要な窓でなければ、室内側からの作業のみで完了するケースも多く、大がかりな工事がしにくい住宅でも導入しやすい方法といえます。
こんな人・家に向いている
ガラス交換は、次のようなケースに向いています。
- 既存サッシの色やデザインを気に入っており、外観をできるだけ変えたくない人
- 窓枠の奥行きが浅く、内窓を取り付けるスペースが取りにくい家
- ベランダ側の掃き出し窓などで、窓を二重化すると行き来がしづらくなりそうな場所がある場合
- マンションで管理規約上サッシ交換が難しいが、管理組合の承認を得ればガラス交換なら可能とされている場合
カバー工法でサッシ全体を断熱
3つ目は、既存の窓枠を利用しつつ、古いサッシを新しい高断熱サッシに交換する「カバー工法」です。外壁を壊さず、既存枠の内側に新しい枠と窓を取り付けていく工法で、主にアルミサッシからアルミ樹脂複合サッシや樹脂サッシへ交換する際に用いられます。
ガラスだけでなく、熱を伝えにくい樹脂フレームにすることで、窓全体の断熱性能を高められるため、開口部の断熱性能を一気に底上げしたいリフォームに向いています。
費用の目安
カバー工法は、内窓やガラス交換に比べると工事の規模が大きくなるため、1窓あたりの費用はやや高めになることが多いです。窓のサイズや仕様(引き違い窓、掃き出し窓、FIX窓など)、採用するサッシのグレード、ガラス性能によって大きく変動しますが、複数窓をまとめて交換する場合は総額で数十万円〜の工事になるケースも少なくありません。
断熱・気密・操作性の改善効果
カバー工法の強みは、サッシ枠ごと高断熱タイプに入れ替えることで、ガラスだけでなく枠部分からの熱損失も抑えられる点です。さらに、古いサッシから最新の気密性・水密性の高いサッシに替えることで、すきま風の軽減や雨仕舞いの改善にもつながります。
併せて、窓の開閉が重い・動きが悪いといった長年の使い勝手の不満を解消できるのも大きなメリットです。引き違い窓から開き窓へ変更するといったプランも可能な場合があり、採光や通風計画を見直すリフォームとしても活用されています。
工期・施工のしやすさ
カバー工法では既存枠を活かすとはいえ、サッシ全体を取り外し、新しい枠を取り付ける工程が必要なため、内窓設置やガラス交換よりも工期が長くなる傾向にあります。窓の数や種類にもよりますが、1日で終わるケースもあれば、2日以上かかるケースもあり、足場が必要な場合には外部足場の設置も含めた工程を考える必要があります。
こんな人・家に向いている
カバー工法は、次のような方に適しています。
- 築年数が長く、サッシ自体の劣化(動きの悪さ、すきま風、腐食など)が気になっている家
- 断熱だけでなく、気密性や防音性、防犯性能もまとめて改善したい人
- 外観や意匠も含めて窓を一新し、リノベーションとしてしっかり予算をかけるつもりがある場合
DIY断熱(結露防止フィルム/プチプチ)の限界

最後に、ホームセンターやネット通販などで手軽に購入できる窓用断熱シートや結露防止フィルム、気泡緩衝材(いわゆるプチプチ)を貼るDIY断熱についても触れておきます。費用が安く、休日に自分で施工できるのが魅力ですが、断熱リフォームとしての効果や耐久性には限界があることも理解しておく必要があります。
DIY断熱のメリット
DIYによる窓断熱のメリットは、何といっても初期費用の安さと手軽さです。数千円程度の材料費で複数の窓をカバーできる商品もあり、「この冬だけでも少し寒さをやわらげたい」といった短期的な対策には役立ちます。また、賃貸住宅で原状回復が前提の場合も、はがせるタイプのフィルムなどは選択肢の一つとなりえます。
効果と耐久性の限界
一方で、DIY断熱は、専用の内窓や高性能ガラスと比較すると、断熱性能の向上幅が小さく、電気代削減や室内環境の改善という点ではどうしても限界があるのが実情です。粘着タイプのフィルムは経年とともに変色やはがれが発生しやすく、きれいな状態を保つには定期的な貼り替えが必要になることも多いです。
さらに、窓全体を覆ってしまうタイプのシートの場合、開け閉めのたびに引っかかる・見た目が気になる・日射を取り込みにくくなるといったデメリットもあります。コストは抑えられるものの、長期的な快適性や省エネ効果を重視するなら、内窓やガラス交換など本格的な断熱リフォームと比べて「応急処置」に近い位置づけとなります。
どこまでDIYで対応し、どこからプロに任せるか
窓の断熱対策を考える際には、「まずはDIYで試してみて、効果を実感したうえで本格的なリフォームを検討する」というステップも一つの方法です。ただし、本格的に冷暖房費を下げたい、結露やカビを根本的に抑えたいといったニーズがあるなら、断熱性能が公的基準やメーカー試験で確認されている製品を使うプロの工事を早めに検討したほうが、結果的に費用対効果が高くなるケースも多いでしょう(例:内窓商品の性能値や補助金対象情報は、LIXILやYKK AP、国の省エネ関連サイトなどで確認できます)。
内窓(二重窓)のメリット|なぜ一番人気なのか?
熱損失を大幅にカット(データ引用)
冬になると、暖房をつけているのに「窓の近くだけ冷える」「どこからか冷気が入ってくる気がする」と感じたことはありませんか。実は、家の中で最も熱が出入りする場所は“壁”ではなく 窓 です。とくにアルミサッシと1枚ガラス(単板ガラス)の組み合わせは、外気温の影響を受けやすく、暖房で温めた空気がどんどん窓から逃げてしまいます。その結果、エアコンを強めても部屋がなかなか温まらず、光熱費ばかりが増えてしまうという状況が起きやすくなります。
そこで効果を発揮するのが、既存の窓の室内側にもう1つ窓を取り付ける 内窓(二重窓) です。内窓をつけると、既存の窓との間に空気の層が生まれます。この空気層が“断熱材”のような役割を果たし、外の寒さや暑さが室内に伝わりにくくなります。つまり、窓そのものが「厚い断熱バリア」に変わるイメージです。
国内メーカーの実験では、真空ガラスやLow-E複層ガラスと組み合わせた高性能な内窓の場合、窓の熱の伝わりやすさを示す「熱貫流率」が 1.1W/(㎡・K) 程度まで抑えられることが報告されています。これは、従来のアルミサッシ+単板ガラスと比べて、窓の断熱性能が数倍レベルで向上するということです。
(例:YKK AP「マドリモ 内窓 プラマードU 真空ガラス内窓」ニュースリリース
https://www.ykkapglobal.com/ja/newsroom/releases/20240403)
このように窓の断熱性能が上がると、冬は暖房で温めた空気が逃げにくくなり、部屋の暖かさが長持ちします。夏は外からの熱気の侵入が減るため、エアコンの効きが良くなり、設定温度を無理に下げなくても快適に過ごせるようになります。
その結果、エアコンの稼働時間や出力を自然と減らすことができ、冷暖房費の節約にもつながります。こうした総合的な効果があるため、内窓はリフォームの中でも特に人気が高く、コストパフォーマンスの良い断熱方法として広く選ばれています。
結露しにくい・防音にも強い
内窓が人気を集めている理由は、断熱性の向上だけではありません。実際にリフォームされた方が「つけて良かった」と感じやすいのが結露の軽減と防音性の向上です。
冬場、暖房であたためられた室内の空気が冷たい窓ガラスに触れると、ガラス表面で空気中の水分が冷やされて結露になります。内窓を設置すると、室内側のガラス面は外気の影響を受けにくくなり、表面温度が下がりにくくなるため、同じ室内環境でもガラスが「びしょびしょ」に濡れにくくなるのが特徴です。その結果、カビやダニの発生リスクの低減や、木枠・床の腐食防止にもつながります。
また、既存の窓と内窓の二重構造によってガラスとサッシが二重になり、その間の空気層が音を伝えにくくします。これにより、車や電車の走行音、近隣からの生活音がぐっと聞こえにくくなるケースも多く、在宅勤務やオンライン会議が増えた家庭では、防音対策として内窓を導入する方も増えています。ガラスの種類によっては、遮音性能を高めた仕様も選択できるため、「断熱+防音」を同時に叶えられるのも内窓ならではのメリットです。
電気代削減額の具体例(メーカー試算)
内窓リフォームを検討している方が特に気になるのが、「毎月の電気代がどれくらい下がるのか」という点ではないでしょうか。もちろん、実際の削減額は住まいの断熱性能や地域、家族構成、使っているエアコンの効率などにより異なりますが、国内メーカーのシミュレーション結果から、おおまかな目安を把握することはできます。
例えば、LIXILの内窓「インプラス」では、東京の戸建て住宅モデル(延べ床面積約120㎡、昭和55年省エネ基準レベルの断熱性能)で、居室9窓に内窓を設置したケースを想定したシミュレーションを実施しています。その結果、内窓設置により年間の冷暖房費が約2万円(1か月あたり約1,670円)節約できるという試算結果が公表されています。
https://www.lixil.co.jp/support/window-inplus/
このシミュレーションはあくまでも一定条件に基づく目安ではあるものの、「窓だけ」のリフォームで年間2万円前後の光熱費削減が見込めるのは、他のリフォームと比べてもかなり大きなインパクトです。特に、築年数が経っていて断熱性能が低い住宅や、窓の面積が広い住宅ほど、内窓を付けたときの体感温度の変化や電気代の差がわかりやすくなる傾向があります。
また、最近は熱貫流率1.1W/(㎡・K)前後の高性能な真空ガラス内窓も登場しており、従来の複層ガラスよりさらに高い断熱効果が期待できる製品も増えています。断熱性能が高い内窓ほど初期費用は上がりますが、寒冷地や電気代の負担が大きい家庭では、高グレードの内窓を選択することで中長期的な省エネ効果が大きくなりやすい点も押さえておきたいところです。
https://www.ykkapglobal.com/ja/newsroom/releases/20240403
施工時間・費用の目安
内窓がここまで広く普及している背景には、断熱・防音・結露対策といった性能面だけでなく、施工が比較的簡単で工期が短く、費用対効果が高いという事情もあります。基本的には、既存の窓枠を壊さずに室内側に内窓用の枠を取り付け、そこに内窓本体をはめ込む工事のため、大掛かりな解体工事は不要です。
メーカーの案内や施工事例を見ると、1窓あたりの施工時間は、現場の状況にもよりますが最短で約60分程度が目安とされています。複数の窓をまとめてリフォームする場合でも、半日〜1日程度で工事が完了するケースが多く、「朝出かけて、夕方帰ってきたらすべての窓に内窓が付いていた」というような負担の少ない工事で済む点も、人気の理由のひとつです。
https://www.lixil.co.jp/support/window-inplus/
費用については、窓の大きさやガラスの種類、サッシのグレード、施工環境によって幅がありますが、例えばYKK AP製の樹脂内窓を専門店経由でリフォームする場合、小さめの引違い窓なら商品+工事費込みで1窓あたりおおよそ5万円前後からの事例も見られます。掃き出し窓など大きな窓や、真空ガラス・Low-E複層ガラスなど高性能ガラスを組み合わせると、1窓あたりの費用はさらに高くなりますが、その分断熱性能が向上し電気代削減効果も期待できます。
https://www.seikatsu-do.com/exterior/double_window/ykk_ap.php
このように、内窓(二重窓)は、比較的短い工期と手の届きやすい初期費用で、断熱性・防音性・結露対策・省エネ性を一度に高められる総合力の高い窓リフォームです。冷暖房費の高騰や在宅時間の増加により、室内環境の質を高めたいと考える家庭が増えている今、「まず窓から」始めるリフォームとして、多くの人に選ばれているのも納得できるのではないでしょうか。
ガラス交換でできる窓断熱|内窓が付けられない人にも◎
「窓断熱」と聞くと内窓(二重窓)を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は既存のサッシはそのままに「ガラスだけ」を交換して断熱性能を高める方法も広く行われています。マンションなどで窓サッシ本体はいじれない場合でも、ガラス交換であれば管理規約の範囲内で対応できるケースが多く、寒さ・暑さ・結露・電気代といった悩みをバランスよく軽減できるのが特徴です。
ここでは、代表的なLow-Eペアガラス(複層ガラス)と真空ガラスを中心に、「どんな仕組みで断熱するのか」「どれくらい効果があるのか」「費用感や耐久性はどうか」などを、リフォームを検討している方にもイメージしやすい形で整理していきます。
真空ガラス・Low-Eペアガラスの特徴
まずは、ガラス交換でよく採用されるLow-Eペアガラス(Low-E複層ガラス)と真空ガラスの基本的な構造と特徴から見ていきましょう。どちらも「ガラスを二重構造にして熱を伝えにくくする」という点では共通していますが、内部の層の作りや性能、厚み、価格帯に違いがあります。
Low-Eペアガラス(Low-E複層ガラス)とは
Low-Eペアガラスは、2枚のガラスの間に中空層(空気層またはアルゴンガス層など)を設け、そのうち片方のガラスの内側に「Low-E金属膜」と呼ばれる特殊なコーティングを施したガラスです。一般的な単板ガラスと比べて熱の出入りを抑え、冷暖房効率を大きく高められることから、新築・リフォーム問わず幅広く採用されています。
Low-Eペアガラスには大きく分けて「遮熱タイプ」と「断熱タイプ」があります。
- 遮熱タイプ:夏の日射熱をカットしつつ、冬の暖房熱はある程度室内側に戻すイメージ。西日対策や冷房費を重視する地域・住まいに向いています。
- 断熱タイプ:冬の暖房熱を室内側にとどめる性能を重視したタイプ。寒冷地や、冬の暖房費をしっかり抑えたい住まいに適しています。
メーカーや仕様によって数値は異なりますが、Low-Eペアガラスは一般的な単板ガラスと比べ、熱貫流率(U値)が小さくなり、体感としても冬場の「窓まわりのひんやり感」や「足元の冷え」を和らげやすいのが特徴です。
真空ガラスとは
真空ガラスは、2枚のガラスの間に0.1〜0.2ミリ程度の非常に薄い真空層を設けた高性能な複層ガラスです。代表的な製品としては、日本板硝子の「スペーシア」シリーズなどがよく知られています。真空状態では対流や伝導による熱移動がほとんど起こらないため、同じ厚みでも高い断熱性能が得られるのが大きな特徴です。
たとえば、日本板硝子の真空ガラス「スペーシア」は、一般的な単板ガラスと比較して熱の流入を大幅に抑えられることが公表されており、詳細な性能値は日本板硝子の公式サイト(日本板硝子株式会社)で確認できます。真空ガラスは断熱性能が高いだけでなく、ガラス厚をあまり増やさずに済むため、既存サッシのまま交換しやすいというメリットもあります。
また、真空ガラスの一部製品では、Low-E膜と真空層を組み合わせたタイプもあり、冬の断熱だけでなく夏の日射取得を抑え、1年を通して冷暖房エネルギーの削減と快適性の両立に貢献します。
単板ガラスとの違い・体感の変化
単板ガラス(1枚ガラス)は、外の冷気や熱気がそのまま室内側に伝わりやすく、冬場は窓際だけ極端に寒い、結露でびしょびしょになるといった悩みが出やすくなります。これに対し、Low-Eペアガラスや真空ガラスに交換すると、次のような体感の変化が期待できます。
- 窓際に立ったときの冷気・熱気の「じわっとした不快感」がかなり軽減される
- 暖房を少し弱めても、部屋の温度が下がりにくいと感じやすくなる
- 窓の表面温度が上がることで、結露が発生しにくくなる
とくに、リビングや寝室など長時間過ごす部屋の大きな掃き出し窓を、性能の高いガラスに交換すると、体感温度が変わりやすく、結果として暖房設定温度を1℃下げても快適に過ごせるようになり、電気代の削減につながるケースが多く見られます。
費用と効果の比較
次に、ガラス交換にかかる費用と、その見返りとして得られる効果について整理してみましょう。ここでは一般的な傾向として、単板ガラスからの交換を前提に、Low-Eペアガラスと真空ガラスを比較していきます。
初期費用の目安
ガラス交換の費用は、窓の大きさやガラスの仕様、施工条件によって変動しますが、一般的にはLow-Eペアガラスよりも真空ガラスのほうが高価になる傾向があります。たとえば同じサイズの掃き出し窓であっても、真空ガラスは構造がより複雑なため、ガラス代が数割〜場合によっては倍近くになることもあります。
また、既存サッシがペアガラスに対応しているかどうかによっても費用は変わります。アルミサッシなどでガラス溝幅が狭い場合、真空ガラスのように薄型・高性能なタイプであればサッシを交換せずにガラスのみを入れ替えられるケースも多く、トータル費用が抑えやすいという側面もあります。
断熱性能と電気代削減効果のイメージ
断熱性能を比較すると、製品や仕様によって差はありますが、一般的には単板ガラス < 一般複層ガラス < Low-Eペアガラス < 真空ガラスという順で熱を伝えにくくなります。とくに真空ガラスは、同じ厚みの一般複層ガラスに比べて高い断熱性能を持つ製品が多いのが特徴です。
こうしたガラス性能の向上は、冷暖房エネルギーの削減にも直結します。断熱性能が上がるほど、エアコンの運転時間や出力を抑えやすくなり、その分毎月の電気代やガス代の負担が軽くなると考えられます。具体的な削減額は、住まいの地域や窓の面積、家全体の断熱性能などに左右されますが、長期的に見ると、光熱費の削減と快適性の向上の両面でメリットが感じられるケースが多いです。
結露・カビ対策としての効果
ガラス交換の効果として意外と大きいのが結露の軽減です。窓ガラスの表面温度が低いと、室内の湿気が水滴となって付きやすく、サッシ枠やカーテンのカビ、フローリングの傷みなどにつながります。Low-Eペアガラスや真空ガラスに交換すると、室内側のガラス表面温度が上がるため、単板ガラスよりも結露が発生しにくくなります。
もちろん、室内の湿度が極端に高い場合など、条件によっては結露が完全にゼロになるとは限りませんが、窓際のジメジメした不快感が軽減され、掃除の手間や建材の傷みを抑えられることは、日々暮らしていくうえでの大きなメリットです。
耐久性・メンテナンス
Low-Eペアガラスも真空ガラスも、適切に製造・施工された製品であれば、一般的な住宅の使用環境で長期間にわたり性能を維持することを想定して設計されています。メーカーによっては、複層ガラス内部の結露(ガラス間のくもり)に対して保証期間を設けている場合もあり、詳細は各社の保証書や公式情報を確認することが大切です。
日常的なメンテナンスとしては、従来のガラスと同様に、柔らかい布と中性洗剤などで優しく拭き掃除を行えば十分です。研磨剤入りの洗剤や、傷の付きやすい道具で強くこすったりすると、Low-E金属膜を傷めるおそれがあるため、取り扱いには注意が必要です。
マンションに向いている理由

最後に、ガラス交換がとくにマンションに適している理由について整理してみましょう。マンションで窓のリフォームを考える際は、管理規約や共有部分の扱いなど、一戸建てとは違う制約があるため、どこまで工事できるかを事前に確認する必要があります。
共有部分に当たるサッシを触らずにリフォームできる可能性が高い
多くの分譲マンションでは、外側のサッシ枠は「共用部分」扱いとされており、勝手に交換することができません。一方、ガラスそのものは専有部分として扱われ、管理組合のルールに従えば交換を認めているケースが少なくありません。そのため、内窓を取り付けるスペースが確保しづらい窓でも、ガラス交換であれば採用しやすいことがあります。
ただし、マンションによってルールは異なるため、実際に工事を検討する際には、必ず管理規約や理事会の方針を確認し、必要に応じて管理組合へ事前相談を行うことが重要です。
開閉スペース・カーテンボックスを圧迫しにくい
内窓を設置する場合、室内側に新たな窓枠とサッシを追加するため、どうしても窓まわりの出っ張りや開閉スペースの確保が課題になりがちです。とくに、カーテンボックスが付いている窓や、家具が窓際ぎりぎりまで置かれている部屋では、内窓の設置が難しいケースもあります。
ガラス交換であれば、既存サッシの中でガラスだけを入れ替えるため、室内側のスペースや見た目をほとんど変えずに断熱性を高めることができます。見た目を大きく変えたくない方や、窓まわりのレイアウトを変えたくない方にも選ばれやすい方法です。
防音性の向上も期待できる
マンションでは、外の交通騒音や近隣の生活音などに悩まされることも少なくありません。Low-Eペアガラスや真空ガラスは、製品によっては防音性能にも配慮したタイプがあり、ガラス交換によって外部からの騒音が軽減されるケースもあります。
もちろん、防音性能はガラスの厚みや種類、サッシの気密性なども影響するため、必要な性能はリフォーム会社と相談しながら選ぶことが大切です。防音効果を重視する場合には、防音ガラスを得意とするメーカーや、施工実績の豊富なリフォーム会社に相談して、目的に合ったガラス仕様を提案してもらうとよいでしょう。
管理規約に配慮した商品選定・施工がしやすい
マンションでのガラス交換では、外観デザインを大きく変えない範囲で工事することが求められるケースがほとんどです。国内メーカー各社は、既存サッシとの適合や外観に配慮した商品ラインナップを用意しており、たとえばYKK APやLIXIL、日本板硝子などの公式情報でも、マンション向けの窓リフォーム事例や注意点が紹介されています。
マンションで窓断熱を検討している場合は、こうした情報に目を通しつつ、マンションリフォームに慣れた会社へ相談することで、管理規約を守りながら、できるだけ高い断熱・省エネ効果を得られるプランを立てやすくなります。
どれを選ぶべき?効果・費用・電気代削減で比較まとめ

ここまで読んでみて、「内窓とガラス交換、うちにはどちらが向いているのだろう?」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。ここでは、代表的な窓断熱リフォームである内窓(二重窓)、ガラス交換、カバー工法を横並びで比較しながら、どんなご家庭にどの方法が合っているのかを整理していきます。
内窓が向いている家庭の特徴
まず、最も人気が高い内窓(二重窓)が向いているのは、次のようなご家庭です。
冬の寒さが厳しく、暖房をつけても足元や窓際がひんやりする・結露がひどい・騒音にも悩んでいるといった複数の悩みを抱えている場合、内窓はとても相性が良いリフォームです。既存の窓の室内側にもう一つ樹脂フレームの窓を追加するため、ガラスだけでなくサッシまわりからの熱の出入りも大きく抑えることができます。
一般的に、樹脂サッシ+Low-E複層ガラスの内窓を取り付けた場合、同じ開口部でもアルミ単板ガラス窓と比べて熱貫流率(窓の断熱性能を示す数値)が大幅に改善し、暖房負荷・冷房負荷の低減につながるとされています。たとえば、YKK APやLIXILなどのサッシメーカーが公表しているシミュレーションでは、戸建住宅の主要な窓を内窓化することで、暖房エネルギーが目に見えて減少する事例が紹介されています(詳細は各メーカーの「窓リフォーム」ページにて公開)。
また、内窓はガラスの種類を選べるため、断熱重視のLow-E複層ガラス、防音性を高める合わせガラスなど、ライフスタイルに合わせた組み合わせがしやすい点も特徴です。
費用面では、窓のサイズや枚数にもよりますが、リビングの大きな掃き出し窓+腰窓数カ所といった代表的なプランで数十万円台になるケースが多く、工事時間も1カ所あたり数十分〜1時間程度と比較的短時間で済みます。既存の窓を壊さないため、工事中もふだんどおりの生活がしやすいのもメリットです。
つまり、「冬の光熱費の負担をしっかり減らしつつ、結露や音の悩みもまとめて改善したい」「比較的短工期で、住みながら工事を進めたい」ご家庭には、内窓リフォームが第一候補と考えられます。
ガラス交換が向くケース
一方で、内窓ではなくガラス交換を選んだ方が良いケースもあります。代表的なのは、次のような条件に当てはまる場合です。
まず、窓の開閉スペースに余裕がなく、内窓を付けると窓の操作がしにくくなってしまうケースです。例えば、窓のすぐそばに家具が置いてある、廊下側に開き戸が干渉してしまう、障子やカーテンレールとの距離が近いといった場合は、ガラスのみを高断熱タイプに交換する方法のほうが使い勝手を損ないません。
また、キッチンや浴室などの水まわりで、既存窓のままでも結露やカビが気になる箇所がピンポイントで限られている場合もあります。このような場所では、真空ガラスやLow-E複層ガラスへの交換で、コストを抑えつつ結露・断熱性能をバランスよく高めるという考え方が現実的です。
さらに、ガラス交換はサッシを残したまま行えるため、外観を大きく変えたくない場合にも向いています。とくに、分譲マンションなどで管理規約によりサッシの交換が禁止されている場合、共用部であるサッシ枠はそのままに、専有部にあたるガラスのみを性能の高いものへ入れ替える方法がよく選ばれています。
費用は、同じ窓サイズで比較したときに、内窓よりやや抑えられるケースもあれば、真空ガラスなど高性能なガラスを選ぶと同程度になるケースもあり、選ぶ製品によって差が出ます。工事時間は1カ所あたり30分前後と短く、「大掛かりな工事にはしたくないが、今より少しでも暖かく(涼しく)したい」というニーズには、ガラス交換がフィットしやすいと言えるでしょう。
一戸建て vs マンションの違い
次に、一戸建てとマンションでは、どのように窓断熱の選び方が変わるのかを整理してみましょう。
一戸建ての場合、窓の数や大きさが多く、玄関ドアや勝手口ドアなども含めて外皮全体の断熱性能をどう高めるかがポイントになります。とくに、昭和〜平成初期に建てられた木造住宅では、アルミサッシ+単板ガラスが標準的だったため、窓の断熱強化による効果が出やすい傾向があります。そのため、リビングや寝室など長時間過ごす部屋を中心に内窓を設置し、予算に応じてガラス交換やカバー工法を組み合わせるといった、複数の工法を使い分けるケースが多く見られます。
一戸建てでは、外壁側からのカバー工法による窓交換も選択肢に入りやすくなります。外壁塗装や屋根リフォームのタイミングに合わせて窓も断熱仕様に替えることで、足場費用の負担を抑えながら外まわり全体の性能を底上げする方法です。初期費用は高くなりますが、「将来的なメンテナンスも含めて長期的に住み続ける予定の家」をお持ちであれば、カバー工法も検討する価値があります。
一方、マンションの場合は、用途地域や建物の構造上の制約、管理規約のルールが大きく関わってきます。共用部とされるサッシ枠は勝手に交換できないケースが多く、基本的には専有部にあたるガラス交換や内窓設置が現実的な選択肢になります。実際に、国土交通省や省エネルギー庁が紹介している事例でも、マンションでは内窓設置による断熱改修が多く採用されています(参考:環境省「脱炭素に向けた住宅・建築物の省CO2事例集」)。
マンションでは、上下左右の住戸に囲まれていることが多いため、一戸建てに比べてもともとの断熱性能が高く、窓を断熱化することで体感温度が変わりやすいというメリットもあります。「リビングの大きな掃き出し窓だけ内窓」「寝室と子ども部屋だけガラス交換」といったピンポイントの工事でも、冬の冷え込みや夏の日射の入り方がかなり変わることが多いのも、マンション特有の特徴です。
冬の光熱費を抑えるための最適解
窓リフォームを選ぶときに大切なのは、「初期費用」「断熱性能による体感の変化」「電気代の削減効果」「暮らし方」の4つのバランスを考えることです。どれか1つだけで決めるのではなく、自分たちの家の状況やこれからの生活を踏まえて、最も無理のない選択をすることがポイントになります。
たとえば、これからも長くその家に住む予定があり、冬の暖房費や夏の冷房費を少しでも抑えたい、さらに家の快適さをしっかり改善したいというご家庭であれば、リビングや寝室のような主要な部屋を中心に内窓(二重窓)を導入する方法が有力です。内窓は“窓そのものの性能”を大きく底上げするため、専門用語をすべて理解していなくても、エアコンの設定温度を今までより少し抑えても快適さが保たれ、結果として光熱費が下がるという実感につながりやすいリフォームです。
一方、「あと数年だけ住む予定」「単身赴任で期間限定」「なるべく予算を抑えたい」といったケースでは、すべての窓を一度に工事する必要はありません。よく使う部屋のガラスだけ交換したり、リビングの大きな掃き出し窓だけ内窓にしたりと、ポイントを絞った投資でも十分な効果が得られます。窓断熱の良いところは、1カ所からでも体感の変化が出やすい点で、無理なく進められるのも大きな魅力です。
どの工法が一番お得かというよりも、自分たちの暮らしの中で「どこまで断熱性や光熱費削減を目指したいのか」を決めることが何より大切です。そのうえで、内窓・ガラス交換・カバー工法を組み合わせることで、家全体の快適性を無理なく高めていくことができます。
そのためにも、まずは現在の窓のサイズや方角、寒さ・暑さの悩み、これからの暮らし方の予定を整理し、断熱リフォームに詳しい会社へ相談してみることをおすすめします。プロの目線で最適な組み合わせを提案してもらうことで、費用と効果のバランスがとれた納得のいく窓リフォームが実現しやすくなります。
【まとめ】結局いくら節約できる?
窓の断熱リフォームによって電気代がどのくらい下がるかは、地域や住まいの断熱性能、窓の方角、家族構成、エアコンの使い方などによって変わります。そのため、「年間◯円下がる」と一律には言えませんが、窓の断熱性を高めることで冷暖房効率が上がり、エアコンの設定温度を無理に調整しなくても快適に過ごせるようになるため、結果として電気代の削減が期待できます。
国の資料でも、住宅の熱の出入りが最も大きいのは「窓」であることが示されています。内窓の設置やガラス交換など、窓まわりを改善するリフォームは工期も短く、住みながら施工できるケースが多いのがメリット。電気代の節約だけでなく、冬の底冷え軽減、結露の改善、防音効果など、毎日の暮らしの快適さにもつながる費用対効果の高いリフォームです。
より具体的な効果を知るためには、相談前の準備が大切です。最近1〜2年分の電気料金明細を確認し、寒さ・暑さが気になる部屋や結露が出る窓を書き出しておくと、優先すべき場所が明確になります。内窓をつけたい位置の写真を撮っておくのもおすすめです。補助金を利用したい場合は、対応できる事業者かどうか事前に確認しておきましょう。(※先進的窓リノベ補助金の申請期限は 2025年12月31日まで)
窓断熱は、「光熱費の節約」「結露対策」「快適性アップ」を一度に叶えられる、満足度の高いリフォームです。家のつくりや暮らし方によって最適な方法は変わるため、まずはお気軽にリライフにご相談ください。現地調査のうえ、お住まいに合った最適なプランをご提案いたします!
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